本当に運動は健康に良いのか?整体師が科学的視点で解説
2024/08/29
「運動は健康に良い」という言葉はよく聞かれますが、果たして本当でしょうか?ジョギングや他の運動をすることで寿命が延びるのか、それとも短くなるのか、ネットやメディアで様々な意見が飛び交っていますが、真実は一体どこにあるのでしょうか?
今回は「運動をすると寿命が伸びるのか」というテーマで、科学的な視点と整体師としての視点、両方から運動がどのように寿命に影響するのかを考えてみます。
まずジョギングをしたら寿命が減るという論があるのはご存じでしょうか。
その論は「Does of jogging and long-term mortality:the Copenhagen City Heart Study」という論文を根拠にしたものではないかと思われます。この論文の内容は、ジョギングの量と長期的な死亡率に注目したものです。英語の論文ですが、参照できますのでURLを掲載しておきます。
一時期、YouTubeで「運動をするな。」という見出しをよく見かけていました。
有名人のものだと、メンタリストのDaiGo氏もジョギングをしても意味がないというような内容の動画がありました。内容から察するに、おそらくこの論文の内容を根拠にして語っているのではないかと思われます。
公開されている内容を簡単に結論をまとめると、
「週2~3回程度、適度な負荷で運動をすると死亡率が下がる。」
という解釈でよいかと思います。
この論文で、注目すべき点は、ハードなジョギングを長時間行うと死亡率が約2倍にまであがるという点です。
判断が難しいのは、「適度な負荷」がどの程度なのかということです。
私が運動について話すときに困るのは、運動が苦手な人に適度な負荷がどの程度なのかをどのように判断するかということです。たいてい、運動の経験が少ない、あるいは運動が嫌いだという人ほど、過度な負荷の運動をしようとするので、運動を継続できないのです。
運動が不向きな人は他の方法を探すの無難だといえます。何も運動ににこだわることはないのです。
寿命についての研究には生物学にも興味深いデータがあります。
それは、
「生涯で消費するエネルギーの総量はどの動物もほぼ同じ。」
ヒトはどうして老いるのかー老化・寿命の科学 田沼靖一著 より
というものです。
この書籍で紹介されているデータを簡単に説明すると、体重200gの寿命2年程度のねずみも、6000kgで寿命60年程度の象も生涯に消費するエネルギーはほぼ同じであるということです。寿命に大きく差があるのに生涯に消費するエネルギーは同じになるというのは不思議に思うかもしれません。しかし、小さい動物は体温を維持するためにエネルギー消費が激しいのに対して、大型動物はエネルギー消費を小さくすることができるのです。
同じことが人間の寿命にもいえるでしょう。
つまり100歳まで生きた人と、50歳で亡くなった人の生涯のエネルギー消費量は同じだということです。もちろん、死因が事故などといったケースはこれに当てはまりません。
このことがわかっていると、
「心肺機能を上昇させることによってエネルギー消費の少ない体作りをする。」
ということをジョギングの目標にすると、寿命を伸ばすことができることになります。おそらくですが、先に紹介した論文のように週に1〜2回の適度な負荷のジョギングがこのような体作りに適しているということがいえるのでしょう。
以上のことから、もし寿命を延ばしたいと思うのであれば考えなければいけないことは、
1.過度な運動は死亡リスクを高めて寿命を短くする。
2.適度な運動とは、低燃費で生活のできる体づくりをすること。
ということになります。
このことを踏まえて、「運動は寿命の伸ばすか?」というと、関連がまったくない訳ではないですが、運動の成果がストレートに寿命に影響するというのは少しオーバーな表現かもしれません。
「運動は健康に良い」という単純明快な答えを多くの人が求めていることはわかっているつもりです。しかし、どのような目標をもって、何を実践するのか、よく考えてから行動しないと望むような成果は得られることはないと理解するほうがよいと私は思います。
なお、このような動画はほかにもいくつも投稿しています。もし、よろしければ他の動画もご覧になってみてください。きっと健康的な生活を送るための助けになるはずです。
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