不安症が治らない本当の理由　│長岡京市の自律神経整体院

不安症だと診断された方はたいてい、

 

「過去の辛い出来事が・・・。」
「ストレスが・・・。」

 

なんて事を言われます。
大きな建物の中で白衣を着て仕事をしている人に真剣な顔つきでこんな事を言われると、そういうものなのだと思ってしまうのかもしれません。でももし、ひっかかりや違和感をちょっとでも感じた気がするのであれば、一度よく考えてみて欲しい事があります。

 

実は、私は不安症と言われる症状を経験した事があります。
その時は、身内が重い病気で亡くなってしまうかもしれないという状況でした。そんな状況が半年も続いたら、心身ともにボロボロになってしまったのでしょう。ある日、耐えがたい不安に追い立てられはじめました。落ちつこうとして深呼吸しても落ちつきません。ずっと不安がつきまとってくるというのは、ライオンや熊、あるいは血走った目をして包丁をもった人間に追いかけられているような状況に似ています。そんな状況で、深呼吸して心を落ち着けようとしても不可能です。

 

私は寝てしまいさえすればひとまずは解決するはずだと考えてふとんに潜り込みました。しかし、目が冴えてまったく眠る事ができません。どうしようもないので朝までやっている居酒屋へいってずっと起きていました。完全に徹夜で、夜が明けて明るくなってきて、疲れが限界を越えたのでしょう、やっと眠る事ができました。その後、整体の師匠のところへ、

 

「一切、眠れなくなりました。」

 

と相談に行きました。
それで整体をしてもらって翌日から普通に眠れるようになりました。幸い私は不安症というものがどういうものかわかっていたのですぐに適切な対応ができたのです。しかし、頭の中でわかっているのと実際に体験するのとではまったく違うものという印象すらします。だから、不安症で苦しんでいる人の気持ちは私はよくわかるつもりです。

 

はっきり言ってしまいますが、不安症には過去の辛い経験はほぼ関係がありません。
もしかしたらそういう人もいるかもしれません。しかし、不安症で苦しんでいる人を何十人とみてきていますがただの一人してそういう人には出会っていません。

 

実際、私の人生をふり返ってみても辛いことは何回かありました。
以前は勤めていたのですが、同僚からいじめをいじめを受け退職に追いやられました。女性にひどいフラれ方をしてもう死んでしまいたいと思った事もあります。当時、身内が病気で苦しんでおり私も不安で一杯の生活をつづけていましたが、その不安と心配が原因ではないとはっきりと言い切れます。では、どういうことかというと、病院での付き添いと仕事に追われる日々で体が疲れ切ってしまったせいで心臓の動きに問題が起こったのが原因です。

 

この説明では、違いがわかりにくいかもしれませんので言い換えてみましょう。

 

「不安や心配、過去の辛い出来事を思い出して不安になる。」

「体に問題があって心臓の動きに問題が生じている。」

 

この２つの説明はまったく違う事を意味しているという事がわかるでしょうか。
それは、

 

「過去の辛い出来事が原因で不安になっているというのは解消は不可能だけど、体に問題が生じて心臓の動きに不都合がでているのであれば解決は可能である。」

 

という事です。