五つの味覚を通じて体の要求に応える:自然な食事への道 │長岡京市の自律神経整体院
2023/06/23
「体にいいものを食べれば健康になれる。」
ほとんどの人はこの言葉を当然だと考えていることでしょう。
しかし、よく考えてみてください。実は、健康と体によいという言葉の定義がとても曖昧になっていることに気がつかないでしょうか。まだ、ピンとこないようであれば、
「あなたにとって健康とは何でしょうか?」
という質問ついて考えてみてください。
人間の体には個性があります。
心肺機能が丈夫で運動が得意な人、胃腸の働きが弱くて食事を食べられない人、肝機能が強くてお酒が好きな人など様々です。こういった個性を無視して万人にとってよい食事というものがあると考えてしまっている人が多いのです。しかし、お酒を飲むとすぐに気分が悪くなってしまうという人に、体にいいからとワインをすすめて本当に意味があるか考えてみた方がよいでしょう。
東洋医学には五行という考え方があります。
その中に人間の味覚と体の関係を説明した五味というものがあるのですが、これについて知ることで食事と日々の生活について考え直すよいきっかけになるのではないかと思います。
五味とは、五行と人間の味覚と体についての関わりを説明したものです。
五味は、苦み、甘み、辛み、しおからい、すっぱいがあるのですが、
肝臓-すっぱい
心臓-苦
脾臓-甘
肺 -辛
腎臓-しおからい
それぞれの味覚に関係の深い臓器があります。
具体的に説明してみましょう。
先に、説明したお酒を飲むとすぐに気分が悪くなるという人は肝機能が弱い可能性が高いのですが、そういう方は酸味、つまり酸っぱい物、例えば、柑橘系の食べ物やお酢などを好む傾向があるはずです。これは酸味を感じるものが肝臓の機能を向上させるからです。お酒を飲むときに肴として酢の物を好む人などがいるのもこういうことが理由だと考えるとわかりやすいでしょう。
ただ、こういう話をすると、
「私の体には酸味がよい。」
と短絡的に考えて酸っぱい物ばかり食べるような人が出てきてしまいます。残念ながら、酸っぱいものを食べれば食べるほど肝機能が向上するということはありえませんから体には限界があるということはふまえる必要があります。ですから、その見極め方を説明しておきます。
やり方は簡単です。
不足している栄養、必要としている栄養を食べたときには、人はその食べ物を甘いと感じます。酸っぱいものを食べて甘いと感じるなんておかしいと思うかもしれませんが、人間の味覚というのはそういうものです。そして、必要分あるいは不足している分を食べると、味覚が変化して酸っぱいと感じるようになります。人は必要なものを食べるときには、それをおいしいと感じるのだと理解するとわかりやすいでしょう。
スポーツドリンクを例にあげるとわかりやすいでしょう。
汗をかいたあとに、スポーツドリンクを飲むと、甘いまたはおいしいと感じたことはないでしょうか。これは汗をかいた影響で塩分が不足しているからその塩分を甘い、おいしいと感じているのです。わかりにくいようでしたら、塩を直接なめてみるとよいでしょう。最初、甘いと感じていても舐め続けると突然に塩辛いと感じる時がやってくるはずです。こう感じたときが不足した塩分が補われた瞬間だということです。これが五味のうちの1つ塩辛いの感覚だと考えるとわかりやすいでしょう。
なお、塩辛いと感じる味覚は腎臓の働きに直接影響を与えます。
近年は、塩分を控えめにすることが推奨されていますが、腎臓の働きは代謝に深く関わっています。塩分が不足すると代謝が遅くなって老け込んだり、行動力がなくなったりします。代謝が遅いということは、確かに寿命が延びるということを意味しますが、それは同時に活力や意欲を失うということを意味します。私はよく、
「長生きを最優先に考えると人生から面白みがなくなる。」
と説明します。その理由はこういうことです。
次に紹介する五味は、苦みです。
苦みは心臓の働きに深く関わっています。コーヒーが好きな人が多いのは、心臓の働きを助けて元気に活動するためでしょう。ただ、心臓の弱い人などは刺激が強すぎてカフェインレスや有機素材で作られたコーヒーを飲んだりしているのをよくみかけますね。ちなみに、私は1日に何杯ものコーヒーを飲まないと集中して仕事に取り組めません。
黒胡椒などは多くの人がご存じでしょう。薬膳料理に頻繁に使われている印象ですが、心臓の働きを向上、整える働きをするのでしょう。
次に紹介するのは、辛みです。
辛みは肺に直接働きかけます。辛いものを食べたときに汗をかくのは、肺の働きが高まって酸素摂取が活発になって代謝が向上するからです。体に取り込む酸素の量が増えれば代謝量もあがる訳です。今日の日本は、暑い時期にどこへいってもエアコンで温度が管理されています。そのためほとんどの人は汗をかく機能が低下していてうまく体温の調整ができなくなっています。そういう人は辛いものを積極的に食べてたっぷりと汗をかく機会をつくることをすすめています。汗がかけないということは肺の能力が低下しているからなのです。
辛いものを食べると下痢をするという人が結構たくさんおられます。
漢方では、肺の能力が低下している人が、辛いものを食べると腸が収縮するからだと考えます。その理由は簡単で、下痢をすることで肺のリフレッシュが起こるからです。五行の絵をネットで検索してもらうとすぐに見つかると思いますが、腸は呼吸器の一部で肺の機能が低下したときにその役割を助ける働きを担っています。また、風邪をひいた時は最後に必ず下痢をするのですが、これは体が肺のリフレッシュを自然に試みて起こる結果です。不思議に感じるかもしれませんが、風邪をひくというのは体にとって呼吸器と免疫のリフレッシュをするためです。ですから、元気でいたいのであれば年に1から数回程度は風邪をひいた方が健全な状態を保つことできると漢方では考えるのです。
風邪を必要以上に予防したり、症状を薬物で抑えることを辞めるようにすすめるのは肺にリフレッシュが起こらなくなってしまいます。結果的に体が痛んで、弱ってしまうことになります。実際、下痢がとまらないとき、過敏性腸症候群などと診断を受けている人は肺に問題があると考えて整体することで何人も解決しています。ひどい場合には、肺に深刻な問題があると考えてもらって相談をしてもらった方がよいでしょう。
最後の紹介するのは一番厄介な甘みです。
仕事をしている女性などは1日1回クッキーやチョコレートを食べるという人は少なくありません。これは気力が涌かない、意欲がでないときに奮起するために行っている行動です。意欲、モチベーションは脾臓によって生じるもので甘みを摂取することで補っているのです。しかし、これは麻薬を使うのと同じような感覚でスナック類を摂取していることになりますので可能な限り他の方法を探す方がよいでしょう。
チョコレートなどは1週間に1回食べるぐらいでちょうどよいぐらいなのです。
クッキーやチョコレートを毎日食べているとほとんどの人はカロリー過多になる可能性が高いですから、週末のご褒美にしておいた方が元気で健全な状態がながくつづけることができるでしょう。
これが酸味、しおからい、苦み、辛み、甘みの五味です。
ネットで調べるとでてくる説明はとっつきにくいと感じるのでより具体的に、実践しやすい形で紹介してみました。
上手に活かす方法ですが、
「今日は(今は)、どんなものが食べたいか?」
と、自分自身にに問いかけてください。
体は言葉を使えませんから、はっきりとした言葉では答えてくれませんが感覚としての返事が必ずあるはずです。慣れない内は、スーパーに立ち寄ってぐるりと回ってみてください。いろいろ見て回った時に、ふと目に止まったものを体は欲しているはずです。それを食べてみて、
「体がそれをおいしいと感じているか?」
と意識を自分の内に向けて問いかけてみてください。
最初からすべて正解という訳にはいかないかもしれませんが、こういうことを繰り返しているとすぐに体が欲している味覚の食べ物がわかるようになるはずです。別に意識なんてしなくたって、
「今日はなんか辛いものが食べたい。」
「今夜は酸っぱいものが欲しい。」
なんていう感覚は誰にでもあるはずですから、それほど大層な感覚でもありませんからね。
あと食べていて味が変わるタイミングを意識するとよいでしょう。
ビールなんかがわかりやすいですかね。おいしいと感じるのなんて最初の1~3口までぐらいであとは惰性で飲んでいたりしませんか?体に必要な分は最初だけであとはいらなくなっている、つまり飲み過ぎだということです。このような感覚がわかってくると頻繁に食べ過ぎることもなくなってくるはずです。
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