整体師が教える自分でできる整体術│長岡京市の自律神経整体院

整体することの本質は体の中を流れる気を整えるということです。
ただ、気の流れは科学的に観測されている訳ではありませんから胡散臭い、非科学的なものだと考える人が多いかもしれません。しかし、実際、自身の体の中に意識、あるいは注意を向けてみるとその存在を認識することはそれほど難しいものではありません。観測できない、目で見えないから存在しないと考えるのは早計なのです。

 

例えば、ヨガや瞑想などをしてみると体の中に何かしらの流れやエネルギーを感じることはそれほど難しいものではありません。この記事では、その流れをうまく感じることで、様々な不調を改善してゆこうという試みについて説明してみようと思います。

 

さて、整体の本質は骨の中を通る神経に注目することにあります。
その神経に電流が流れる様子が気の流れだと考えてもらうとよいかもしれません。ただ、ここで間違えてはいけないことは、その気の感じ方は人によって異なるということです。

具体的に説明すると、気がうまく流れたときにその体の部位が温かく感じる人もいれば、冷たく感じる人もいます。10人いれば10人、それぞれの感じ方が異なると考えておく方がよいでしょう。

 

食事で考えればわかりやすいのではないでしょうか。
何人かで集まって辛いものを食べるとします。辛いものが好きだったり、得意な人はおいしいと感じながらどんどん食事がすすむかもしれませんが、どの程度辛いと感じるかは人によって差があります。言葉では「辛い」と形容するかもしれませんが、その感じている辛さを計測して比較してみようなどと思ったこともないことでしょう。人によっては、辛いものが苦手でおいしくないと感じるかもしれませんし、全く食べることができないかもしれません。全く同じ食べ物でも食べる人によって感じ方が異なるのです。

 

味覚だけでなく、暑さ寒さ、痛みに対する感度なども、すべての人の感覚に違いがあるのです。これは整体においても全くおなじことが言えて、同じこと（操法といいます）をやっていてもその感じ方は人によって異なります。ですから、大切なのは自分自身の体の感覚を理解して高めてゆくことです。この意識が気を感じる上で最も重要な点になります。

さて、このように前置きが長くなるということは実際にやることは簡単だということです。
なにをするかが大切なのではなく、どのように取り組むかが重要だということでもあります。ですから、自分の力で整体を行うのはそれなりに難易度が高いということも踏まえておくとよいでしょう。運動が苦手な人には不向きな可能性も高いでしょう。

 

運動で気を感じて整体をする方法ですが、ジョギングが最も行いやすいでしょう。
軽いスピードで１日３０分程度走るのです。（この軽いという程度も人それぞれです。）その際に、気をつけることは重心の安定です。ジョギングをするというと、疲れて汗をかけばよいと単純に考えてしまう人が多いのです。

 

しかし、もっとも大切なことは走る時の姿勢です。
ほとんどの人は、ジョギングをしているときに自身の体の重心がぶれていることに気がつくことができないことでしょう。ですから、まずは運動をしているときには自分の体の状態に意識を向けてください。

 

その意識を保ちつつ、できれば毎日、難しい場合は週に３～４回、30分ほど走るようにしましょう。私の場合、３ヶ月程度続けていると体のブレが安定してくることに気がつくことができました。私は体を動かすのが好きな方なので、苦手な人だともっと長い期間がかかると考えた方がよいでしょう。ブレがわかりにくいようであれば、運動が得意な人ほどどのような動きに対してもブレが少なく安定した動きをしているのだと考えるとわかりやすいでしょう。

 

ここまでくればあとは難しくありません。
さらなる重心の安定を目指して走り続けるのです。重心が安定するにつれて、背骨の動きが改善されてきて、いわゆるズレているという状態が改善してくるはずです。ただ、背骨に大きな狂いがある場合、その狂いが正されるときには体になんらかの変調が生じるはずです。具体的には、発熱、頭痛、肩こり、腰痛などでしょうか。私の場合は、口の周りや首に湿疹がでました。熱の華と呼ばれることもある現象です。このときに、そういった症状を無理やり抑え込んでしまうとずれた骨の状態がうまく改善しませんから注意が必要です。たいていの場合は、１～２週間で治まりますので心配はいりません。

 

自身で取り組む動的な整体のもっとも難しい点は、ご自身の体のブレを自覚することです。
ですから、これができればあとはそれほど難しくはありません。そのままのペースでジョギングを続けてください。半年も経過したころには、姿勢などの変化も自覚できるようになっているでしょう。

 

最後に、私は多くの人に「どうすればよくなりますか？」と質問されます。
しかし、自力で体の状態を変えていくというのは、それなりの努力や苦労の継続が必ず必要になります。しかし、残念ながらその努力をしないための工夫が知りたいと考える人がほとんどです。そういう人は、先に述べた質問を、

 

「どうすればお金持ちになれますか？」

 

と質問を変えて考えてみてください。
お金持ちになりたければ一生懸命働いてお金を貯めるしかないと私は思います。しかし、どうすればいいですか、という質問は「どうすれば宝くじにあたりますか？」という程度の意図しかありません。この質問は、

 

「どうすれば健康になりますか？」

 

という質問と全く同じ内容の質問だということに気が付かないでしょうか。
残念ながら、横着して健康になる方法は存在しないというのが、整体師として、そして人間の体と健康についての専門家としての答えになります。