ロダンの「考える人」が実は何も考えていない?整体師が見たアートの新解釈 │自律神経整体院
2024/02/01
「ロダンの考える人は、実は何も考えていないのではないか。」
整体師としてロダンの像のポーズを見ているとそのように考えてしまいます。あなたはこれまで考え事をするときにこのようなポーズをとったことはあるでしょうか。そして整体的に考察をしても、考え事をしているポーズとしてはあまりにも不自然です。ロダンの考える人という像はたいていの人が知っているでしょう。今回は、なぜそのように考えるのかを説明してみることにします。
ロダンの考える人の作者は、オーギュスト・ロダンといいます。
ロダンはダンテの神曲に着想を得て、地獄門を製作しました。その門の上に座るのが考える人で、地獄に落ちた人々を見つめているという説もあるそうです。そして、「考える人」の名称はロダンが亡くなった後に、この作品を鋳造した職人のファウンドリ・リュディエが命名したという説が有力だと言われています。
整体の創始者野口晴哉は、この像を見た時に、
「ずいぶんと活動的な考え方をしている。おそらく五種体癖の人なのだろう。」
と考えたそうです。
体癖とは、人間の骨格の特徴を示す分類です。整体においては、骨格がその人の思考や行動に大きく影響していると考えているのですが、五種を一言で説明するとスポーツマンタイプです。考えるよりまず行動することを優先し、体を動かしていないと思考が回らないという特徴を持ちます。具体的な行動として表現するのであれば、「まずやってみる。」、「やりながら考える。」というものが典型的です。
体癖についてはそれぞれの体癖について詳しく説明した記事がありますのでそちらも読んで頂くとよいでしょう。また、著作もありますので、興味をもたれた方は手に取ることをおすすめします。
野口師が、考える人が五種体癖だと述べた理由をシンプルに説明すると体をねじっているからです。
ご自身で実際にこのポーズをとって考え事をしてもらうとわかりやすいのではないでしょうか。体をねじった状態で考えごとをする人はおそらくいないだろうと思います。普通は、考えごとをするときにはもっと楽な姿勢や態勢をするのです。それは、リラックスしていないと頭が働かないからです。
なお、私自身も五種体癖の傾向が色濃い骨格をしています。
具体的にいうと、体を動かすのが好き、肩幅が広く、体格が大きいという五種体癖の典型的な骨格に由来する特徴をもっています。その私が、この像のポーズを真似してみると、頭が全く働きません。むしろ頭の中には何も浮かんでこない状態になります。
このような点を考慮すると、
「ロダンの考える人は、実は何も考えていない。」
ということが言えるように思えるのです。
野口師は、「考える人」というタイトルは作者が没後につけられたものだと知らなかったのではないでしょうか。考えているという前提に誤りがあるので、この像が活動的な考え方をしているという印象を持ったのではないでしょうか。
この像は地獄に落ちた人々を見つめているという説もあるそうです。
そういった人々がこれから味わう苦しみを想像すると恐ろしいので、思考を止めるために体を捻って頭の回転を止めているのではないでしょうか。
こうして、整体師の視点からロダンの『考える人』を深く考察してみると、私たちがこれまで信じていた通念に疑問を投げかける結論に至ります。この像が表現するポーズは、実際には思考の停止を象徴しているのかもしれません。野口晴哉師も、このポーズを見て活動的な姿勢と捉えたのは、そのポーズが実際には深い思考を妨げる可能性があるからではないかと思うのです。つまり、『考える人』という名のこの像は、実際には何も考えていないのかもしれないのです。この逆説的な考えは、アートの解釈においても、私たちの身体と心の関係についての理解においても、新たな視角を提供してくれるのではないでしょうか。
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