運動と寿命:科学的知見から見えてくる本当の姿│長岡京市の自律神経整体院
2024/02/16
「運動は健康に良い」という言葉はよく聞かれますが、果たして本当でしょうか?ジョギングや他の運動をすることで寿命が延びるのか、それとも短くなるのか?最近、ネットやメディアで様々な意見が飛び交っていますが、真実は一体どこにあるのでしょうか?
今回は「運動は健康に良いのか」というテーマについて探求していきたいと思います。最新の研究結果や科学的な視点から、運動がどのように寿命に影響するのかを考えてみたいと思います。
ジョギングをしたら寿命が減るという論があるのはご存じでしょうか。
その論は「Does of jogging and long-term mortality:the Copenhagen City Heart Study」という論文を根拠にしたものではないかと思われます。この論文の内容は、ジョギングの量と長期的な死亡率に注目したものですが、内容を簡単に説明すると、週に1~2回程度の強度なジョギングをすると死亡率が低下するというものです。詳しいデータは以下にURLを掲載しておきます。
Dose of jogging and long-term mortality: the Copenhagen City
https://retu27.com/blog-entry-470.html
最近、YouTubeなどで「運動をするな。」という見出しをよく見かけていたのです。
有名人のものだと、DaiGo氏もジョギングをしても意味がないというような内容の動画がありました。内容から察するに、おそらくこの論文の内容を根拠にして語っているのではないかと思われます。
公開されているデータから結論をまとめると、
「週2~3回程度、適度な負荷で運動をすると死亡率が下がる。」
という解釈でよいかと思います。
この論文で、注目すべき点は、ハードなジョギングを長時間行うと死亡率が約2倍にまであがるという点でしょう。プロスポーツ選手は実は寿命が短いという根拠のない話をたまに耳にしてきたのですが、正しい認識だったということなのかもしれません。
判断が難しいのは、「適度な負荷」がどの程度なのかということでしょう。
私が運動についてアドバイスする際に困るのは、適度な負荷の運動は、特に運動が苦手な人ほど適切に判断するのが難しいということです。たいてい運動の経験が少ない、あるいは運動が嫌いだという人が運動を始めると、過剰な負荷の運動をしようとして運動を継続することができません。運動をしても元気になれないし、快感を感じることができない、そういう人は無茶な運動を行う傾向があるように感じられます。まるで運動を辞める理由を無意識に作っているように感じることも少なくありません。
「だから、あなたは運動が苦手なのだ。」
と言いたくもなります。
ただ、このようになる人は運動が不向きなのですから他の方法を探す方が無難だといえます。何も運度にこだわることはないのです。紹介した論文を深読みすると、こういうことも言えるのではないかと思います。
寿命についての研究には生物学にも興味深いデータがあります。
それは、
「生涯で消費する消費するエネルギーの総量はどの動物もほぼ同じ。」
ヒトはどうして老いるのかー老化・寿命の科学 田沼靖一著 より
というものです。
具体的に言うと、体重200g寿命2年程度のねずみも、6000kgで寿命60年程度の像も生涯に消費するエネルギーはほぼ同じであるということです。寿命に大きく差があるのに生涯に消費するエネルギーは同じになるというのは不思議に思うかもしれません。しかし、小さい動物は体温を維持するためにエネルギー消費が激しいのに対して、大型動物はエネルギー消費を小さくすることができるのです。
参考ですが、北、南極や深海といった餌の少ない場所なのに、そのような場所には大型の生物が存在しています。理由は、大型であればエネルギー消費の効率がよくなるからです。体を大きければ少ない食事や餌で体温を維持することが容易になるのです。
これは他のどのような生物にもあてはまっています。
ヒトは他と比べると生涯のエネルギー消費が少し多い特徴があります。それは、老後の生活というものが存在しているからではないかと考えられているようです。しかし、ヒトだけを比較して考えた場合も同様のことがいえることになります。つまり、長生きした人も、早世した人もその生涯で消費したエネルギーの消費量はほぼ同じだということが言えるのです。
このことが理解できると、ジョギングをすることで寿命を延ばすにはどうすればよいかがわかってきます。
つまり、ジョギングをする目的は、
「心肺機能を上昇させることによってエネルギー消費の少ない体作りをする。」
ということになります。
ですから、健康で長生きをするためにジョギングをしたいと思うのであれば心肺機能を上昇させて日々の生活における消費エネルギーを小さくするという目的のために行うのがよいということになります。
このことがわかると、多くの人が大きな勘違いをしていることに気がつかないでしょうか。
それは「若さを保つ。」というのは、寿命を短くするというになるということです。ヒトは、若いうちは高い代謝を維持、つまり消費エネルギーが大きいのですが年と取るにつれて消費エネルギーが小さくなってゆきます。老いるということは長生きしやすい体に変化していくということを意味しているのです。若さを保っていると寿命の消費や早くなりますし、長生きしたいということであれば老いる方が有利だということになります。つまり、長生きと若さを両立することは難しいのです。最近は、若さを保つための研究がかなり進んでいるという話をよく聞きますが、運動学や生物学から考えてみると「若さを保つ。」という発想はデメリットが多いかもしれないということは知っておく方がよいでしょう。
多くの人はシンプルな正解を求めていることでしょう。
しかし「運動は健康に良い」というほど単純でわかりやすい結論は存在していません。ヒトという生き物はそれほどシンプルではないということです。
ですから、
「適度な運動をして消費エネルギーが低い、つまり燃費のよい体作りをすることができれば運動は健康によい。」
というのが適切な答えになります。言葉にすると難しいと感じるかもしれませんが上手に運動を継続している人は周囲を見渡せば一人ぐらいはいるのではないでしょうか。もし、どうすればよいのかわからない、うまくできないというのであればそういう人へ相談してもらうとよいでしょう。もちろん、私への質問も遠慮なくしてください。
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