自律神経整体院

ウォーキングと健康:一般論に挑む整体師の視点

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ウォーキングと健康:一般論に挑む整体師の視点

ウォーキングと健康:一般論に挑む整体師の視点

2024/04/13

前回の記事で学術的な視点からウォーキングの効果を検証してみました。(8000歩で変わる!週4の活動がもたらす健康効果
今回は、整体師としての立場からどのようにウォーキングに向き合えばよいのかについて考えてみようと思います。大多数の人は、学術的なレポートやエビデンスがあるとそれが宇宙の真理であるかのように考えてしまうことが多いようです。しかし、論文やエッセイでのエビデンスというのはその時点でわかっている事実を示しているだけのものでしかありません。そのため、物事を常に異なる視点から考える能力は重要です。

 

ウォーキングが健康に良い影響を与えるのは、それが体に負荷をかけるからです。
生物の体は負荷がかかるとそれに対応できるように変化してゆきます。ですから、一定以上の負荷をかけ続けるとその負荷に対して影響を受けないように体が強化されてゆくということが起こります。

 

具体的な例をあげて説明してみましょう。

病気から回復したばかりのため1日30分ほどのウォーキングをすると疲れ切って動けなくなってしまう人がいるとします。この方が、奮起して毎日30分のウォーキングを3ヶ月続けたとすると、おそらく倍の60分ぐらいは歩くことができるようになっていることでしょう。もしかしたら、さらに3~4倍の時間も歩けるようになっているかもしれません。こういう話を聞いて驚くような人もあまりいないだろうと思いますし、多くの人が当たり前のことだと思うことでしょう。

 

さて、マラソン選手は月に1000km以上(1日30km以上)走るトレーニングをするそうです。
そのマラソン選手がトレーニングを1日8000歩のウォーキングに変えたらどうなるでしょうか。答えは簡単で、間違いなく42.195kmのレースを走ることはできなくなるでしょう。エビデンスで体に良いと示された8000歩をこなしているのに、脚力は低下してしまいます。しかし、この話を聞いても驚く人はやはり少数ではないでしょうか。感覚的に42kmを走り切るためには日々ハードなトレーニングをこなさなければいけないということは理解できるのではないかと思います。

 

結論をいうと、体にかける適切な負荷は人によって異なるということです。
ですから前回の記事で1日8000歩のウォーキングをする人は死亡率が下がるというエビデンスを紹介した訳ですが、これは端に8000歩ぐらいの運動量がちょうどよい人が多いという平均値を示しただけだということが言えます。

 

ところが、レポートという形を取ると、

 

「8000歩以上歩くと健康になって長生きできる。」

 

というタイトルになってしまいます。
ニュートンが万有引力の法則を発見したかのように、アルキメデスが浮力を発見したかのように、

 

「8000歩以上歩くと健康になって長生きできる。」

 

と語ってしまうのですから非常に困ったことだと思います。
万有引力や浮力は宇宙のどこにいっても通用する理論ですが、8000歩以上のウォーキングが死亡率を下げるというのは単なる傾向でしかありません。この点を誤って理解してしまうと、かえって健康を損なうこともあるということは知っておいてもよいのではないでしょうか。

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